ごあいさつ
作品集・曲
「知 盛」 ー知盛最後よりー
岩佐鶴丈 編曲・作曲
※1991年「美しき修羅」
岩佐鶴丈琵琶演奏会にて初演
平家の棟梁・清盛亡き後、知盛(清盛の第三男)は軍事面での実質的な総大将であった。しかし、一の谷の合戦で、海上に逃れようとしたところを源氏の児玉党に襲われ、あやうく討ち取られようとした時、息子の知章に助けられ辛うじて戦場から逃げ延びたが、知章と家来の監物太郎はその場で討死した。我が子に犠牲を強いて落ち延びた知盛は、兄の宗盛にその苦しい胸の内を涙ながらに告白する。
ー能管と琵琶の為のー
「小枝」
松田弘之 / 岩佐鶴丈 作曲
※1991年「美しき修羅」
岩佐鶴丈琵琶演奏会にて初演
敦盛の首を討った熊谷直実は、敦盛の腰にさしてある一管の笛を見つけ、その暁の陣中に聞こえた管弦の笛の音の主であることを知る。笛は、敦盛の祖父忠盛が、鳥羽院より賜った名笛「小枝」であった。直実の出家の心は、この時におこったと伝えている。この曲は、「小枝」の物語をイメージして作曲したもの。
「実盛」ー平家物語によるー
笠井賢一 作詞 / 岩佐鶴丈 作曲
※1999年12月 国立小劇場にて
「第18回花柳昌三郎舞踊公演」作曲初演
「蝉丸」
『今昔物語〜秘曲譲り〜』
椎名桂子 編詞 / 岩佐鶴丈 作曲
※2000年11月「月下琵琶幻想II」
岩佐鶴丈琵琶演奏会にて初演
源三位博雅は、盲目となり逢坂の関に隠れ住む琵琶の名手・蝉丸の元に文を使わせ、幻の秘曲「流泉・啄木」を教えて欲しいと願いますが断られてしまいます。そこで博雅は、毎夜逢坂の関に通い、蝉丸の隠れ家の外で秘曲を弾くのを待ちますが、今か今かと思ううちに早三年がたってしまいます。そして三年目の秋の月の夜、博雅はとうとう自ら名乗り出ます。そして秘曲の伝授を許される、という物語です。
「耳きれ芳一」
《琵琶ノ秘曲幽霊ヲ泣カシム》
岩佐鶴丈 編詩・作曲
※2000年11月「月下琵琶幻想II」
岩佐鶴丈琵琶演奏会にて初演
笠井賢一 作詞 / 岩佐鶴丈 作曲
※2001年10月 国立小劇場にて
「第20回花柳昌三郎舞踊公演」作曲・初演